学生への推薦図書など
last update: Dec. 5, 2013
物理,固体物理・物性物理,化学,表面界面,数学,語学,その他
物理一般
- ランダウ/リフシッツ 理論物理学教程「力学」(東京図書) 大学院生が手元に1冊おく力学教科書はこれ.物理や化学でしばしば使う力学のモデルが精選されている.最近,この要約判的な「力学・場の理論─ランダウ=リフシッツ物理学小教程」が文庫本(ちくま学芸文庫)として手に入りやすくなった.
- Enrico Fermi 「Thermodynamics」(Dover)
数ある熱力学の教科書のなかで,コンパクトで筋が通っていてわかりやすい.英語も平易であるので一読をお薦めする.
- バークレー物理学シリーズ「統計物理」(丸善) 統計物理入門書の決定版.発見的に学習できるように構成されている.問題が良いので全ての問題を解きながら読み進めていくと力がつく.教養学生の時にオリジナル英語版を読んで,大変面白かった.
- T.L.Hill「An introduction to statistical
thermodynamics」(Dover) 気体,高分子,液体など化学からの例が多く取り入れられている統計力学の良書.
- 久保亮五編「大学演習熱学統計力学」(裳華房)統計力学演習書の決定版&百科事典.
- ランダウ/リフシッツ
理論物理学教程「量子力学」(東京図書)言わずと知れた量子力学の名著.淡々とした含蓄の有る記述ではじまり,多岐にわたる物理現象へ展開.残念ながら現在入手しにくいらしい.最近,要約判的な「量子力学─ランダウ=リフシッツ物理学小教程」が文庫本(ちくま学芸文庫)として手に入りやすくなった.
- 上羽 弘「工学系のための量子力学」(森北出版) 表面界面を専攻する学生の量子力学の教科書として必要不可欠な量子力学の基礎だけでなく,最新の物性実験とのつながりがわかりやすく挙げられている.モダンで理解しやすい本.
- 木暮陽三「なっとくする 演習・量子力学」(講談社)もっとも易しく丁寧な演習書.重要な内容はだいたい入っている.(上羽先生の教科書と部分的に似ている)
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固体物理・物性物理
- フック&ホール「固体物理学入門」(丸善)固体物理学を基礎から最近の話題までやさしく記述,英国人の著者らしく,章ごとのアンソロジーが面白い.数式は少ない.
- 川村肇「固体物理学」(共立全書)コンパクトな固体物理の教科書で,概観するのに便利.昔,大学院生の時に通読した.残念ながら現在入手しにくいらしい.
- G. グロッソ , G.P. パラビチニ
「固体物理学〈上,中,下〉」 (吉岡書店)
大学院〜研究者向け.電子物性に重点をおき,数式を用いて丁寧に記述.DFT,ファノ共鳴なども含み,実際の研究論文を読みこんでいく時に参考書として重宝する.
- 小口
多美夫「バンド理論-物質科学の基礎として 」(内田老鶴圃)
.バンド理論の基礎学理を記述.
- 山下次郎「固体電子論」(朝倉書店)名著.絶版なので図書館で見て下さい.
- 斯波弘行「相互作用する電子」(岩波講座・物理の世界) ことば(と簡単な式で)で電子相関をこれだけわかり易く生き生きと記述できるのはすごい.
- 家泰弘「量子輸送現象」(岩波講座・物理の世界)メゾスコピック物理のエッセンスをわかりやすく解説.
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化学
- L.Pauling 「General Chemistry」 (Dover)
一般化学の百科事典のような大学教養向け教科書.手元において辞典として活用できる.
- A.K.Chandra 「Introductory quantum chemistry
(2nd. Ed.)」(Tata McGraw-Hill, New Delhi,1979
) 量子化学の入門書.量子力学の基礎を丁寧に記述した後,分子軌道法,化学結合論,群論などまで.わかりやすい.(現在は4th.Ed.になっていた.これはインドのインターネット書店から手に入れた.骨格はほとんど変わらないが,トンネリングや量子化学計算手法に関する記述が増えた)
- R.A.Alberty and R.J.Silbey「Physical
Chemistry」 (John Wiley & Sons)
正統的(オーソドックス)な物理化学の教科書.
- John T. Yates, Jr. & J.Karl Johnson
(著), 川合 眞紀, 宗像 利明 , 清水 智子 (翻訳)
「エンジニアのための物理化学」
(東京化学同人) 原書でも"エンジニアのための"がついているが,「実験家のためのあるいは実例の多い」と言い換えた方が的確であろう.量子論,熱統計力学,気体分子運動論を適格簡潔に説明したのち,実際の系への適用例を紹介する.たいへん有用な物理化学の教科書.
- D.C.Harris and M.D.Bertolucci 「Symmetry and
Spectroscopy: An introduction to vibrational and electronic
spectroscopy」(Dover) 量子化学,群論の基礎を復習した後,振動分光と電子状態分光を具体的に平易に解説.学部4年〜修士の学生向け.
- ヒューイ「無機化学」(東京化学同人)無機化学の多彩さを楽しめる教科書.
- マクマリー「有機化学」(東京化学同人)数ある有機化学の教科書の中で,(物理化学専攻の)私にとって読んで面白いと思ったのがこの本である.
- 山本嘉則編著「有機化学基礎の基礎・100のコンセプト」(化学同人)有機化学の重要なコンセプトを例を挙げて簡潔に説明.便利.
- 前野紀一「新判 氷の科学」(北海道大学図書刊行会)平易な記述ながら,氷の科学の常識と最先端の話題を紹介.読んでためになる楽しい書.
- 土屋荘次「はじめての化学反応論」(岩波書店)日本語による化学反応論の教科書が少ない中,学部〜修士向け教科書の決定版.
- マイケル.D.フェイヤー著「絶対微小-日常生活を量子論で理解する」(化学同人)北里大学教授の丑田先生(中高大の先輩!)とで共同翻訳した量子化学・化学結合論の入門書.きちんと量子化学を学んだ後でも定性的理解を深めるのに役立つ.数式は少ないが内容は広く深い.
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表面界面
- R.ホフマン「固体と表面の理論化学」(丸善)ノーベル化学賞受賞のホフマンが,フロンティア軌道理論をベースに,固体や表面における電子状態と結合論を解説.数式は少ないが,含蓄が深くためになる.
- G.Attard and C. Barnes「Surfaces」(Oxford
Chemistry
Primers,1998)現代的な表面化学の入門書.コンパクトな本なのに必要な概念・方法論はほとんど網羅されており記述も分かりやすい.この分野を概観したい学部4年生から修士の学生へ推薦できる.
- 塚田捷「仕事関数」(共立出版)物理学OnePoint21巻.大学院生のときに買った本だが,いまだに重宝している.電子状態の基礎から説き起こし,仕事関数の本質を記述する大変よいモノグラフ.
- 小間,青野,石橋,塚田,常行,長谷川,八木,吉信(編)「表面物性工学ハンドブック第2版」(丸善)理論,実験を分担でまとめた.各章,教科書としても使える.
- 第5版実験化学講座24巻「表面・界面」(丸善).表面界面の実験法を丁寧に解説.
- 岩澤,中村,福井,吉信「ベーシック表面化学」(化学同人)5年前から構想をねり,推敲を重ね何回も書き直し,ようやく完成した新しい表面化学の教科書.現段階で修士課程大学院生が習熟してほしい概念は,ほぼ含まれている.
数学
- W.フェラー「確率論とその応用I(上・下)」(紀伊国屋書店)読んで面白い確率論の本.
語学
- 杉原厚吉「理科系のための英文作法」(中公新書)英文論文を書くときに便利な書.
- 松香洋子「アメリカの子供が英語を覚える101の法則」(講談社+α文庫)題名から内容が幼稚と思ってはいけない.発音と綴りの関係を詳述.
- ハイディ矢野「ネイティブの発音・リスニングが絶対身につく本」(ダイアモンド社)英語におけるリエゾンを中心に,どのように日本人が「音」を出すかについて詳述.CD2枚付きで,コストパーフォーマンスの大変高い本.
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その他
- ベルトルト・ブレヒト「ガイレイの生涯」(岩波文庫)
- なだいなだ「権威と権力」(岩波新書)
- 高桑純夫「人間の自由について」(岩波新書)
- 務台理作「現代のヒューマニズム」(岩波新書)
- 中村雄二郎/山口昌男「知の旅への誘い」(岩波新書)
- 岡本太郎「今日の芸術」(光文社文庫)
- J.S.ミル「自由論」(山岡洋一
訳)(光文社古典新訳文庫)
- 丸谷才一「思考のレッスン」(文春文庫)
注:このページは,特定の発行物を支持・宣伝するものではありません.
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